航空英語能力証明試験 Aviation English Proficiency Certification 受験報告

航空英語能力証明試験を受験してきました。受験は航空局ではなく某大手航空会社で受験をしてきました。航空英語能力証明の試験はLevel4で3年毎、Level5で5年毎の更新になるのであまり情報がありません。ここでは初めてまたは久々に更新する受験者に参考になると思います。是非参考にして受験の準備をしてください。受験場所によって試験様式が違う可能性があるので気を付けてください。

試験前

当日は自分をいれて3人の受験でした。一人は某航空会社のパイロットと思われる人でもうひとりは別の航空会社のパイロットでした。おそらく同じ系列の航空会社の英語能力証明試験を一括でやっているようです。
部屋に入るとコンピュータが置いてあるそれぞれの机に着席します。
まずはじめに申請用紙など書類の記入をします。申請書は機械で読み込むものもあるので鉛筆の準備が必要です。
既存のライセンスをその場でコピーするのでライセンス類も必ず持っていきましょう。

リスニング Listening

ライセンスの有効期限がが切れていたり初回の受験者はリスニングテストが必要になります。問題は全部で51問、70%以上で合格となります。70%異常なので15問まで間違うことができます。リスニングの内容はATCとのやり取りで一つのリスニングに対して3問の設問があり17回のリスニングで51問となります。
あらかじめ問題の内容と選択肢を10秒?程度見ることができます。その後、自動的に音声が流れてきて終了後、設問に答える形です。音声が流れている間もこれらの設問はみることができます。こちらも30秒?程度時間がたつと自動的に次のリスニングが始まります。コツとしては音声が流れる前にすべての設問に目を通すことです。思ったより時間が少ないので急がないとすべてに目を通すことができません。そして解答後に「NEXT」を押すとすぐに次の設問になりますが、リスニングが17問もあるのでゆっくり休みながらやっていってください。メモは自由にできます。

面接前 Pre Interview

はじめにIce Breakとして簡単な英会話があります。この会話は評価には影響はありません。しかし、ここで試験官は受験者のレベルをある程度みていてそのあとの英会話のレベルを変えているのかもしれません。評価に影響はないもののここでつまづくと受験者本人の精神状態に影響がでるのである程度は用意しておきましょう。次のようなものを準備しておくとよいでしょう。

  • 天気
  • 何処から何を使ってここまで来たのか?
  • 自己紹介
  • 休みは何をしているのか?
  • どんな機種に乗ってきたか?

机には全部で5枚の紙が裏返して置いてあります。

Picture Description

はじめに一番手前に置いてあった紙を裏返してイラストを見ます。イラストの内容を簡単に説明すると次のようになります。

  1. 航空機がオーバーランをしている
  2. 乗客が緊急脱出をしている
  3. 脱出の際にけがをした人がいる
  4. 航空機のタイヤがパンクして煙が出ている
  5. 消防車がタイヤに向け放水し消火している
  6. ターミナルの屋上から双眼鏡で様子を見ている人がいる
  7. 風がTailwindなのでWindshearのためにRTOしたものと思われる

Picture Description の攻略方法は次の記事を参考にしてください。

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ATC Communication

ここでは試験官がATC役となります。はじめに3枚の紙が裏向きにされています。指示に従って1枚目をめくるとOKAのATISと現在飛行しているWaypointと高度が書いてあります。

試験官:このATISを読み上げとATCにPositon Reportをしてください。

次に、2枚目の紙を裏返します。
絵の内容はLavatryのドアの隙間から煙がもくもくをでているというものです。

試験官:状況の説明をしてください。

試験官:消火できない場合はATCになんといいますか?実際にATCにコンタクトしてください。

ATCに状況の説明とIntensionを伝えます。OKAのATISを求めた段階で3枚目の紙を裏返して再びOKAのATISが書いてあります。天気は良好だったので、Smoke Lavatryの状況とDivert to OKA、PANPAN、消防車の用意などを説明します。

試験官:HDG xxx Descent & Maintain FL xxx

ATCがHDGやALTを指示してきます。リードバックした段階で終了します。

一通り終わった後

試験官:Lavatryの消化が完全にできたら飛行を続けますか?

たとえ消えたとしても原因がわからないかぎりOKAに行きます。と答えました。

Narration ナレーション

4コマ漫画が出ます。始めから4コマ漫画の紙が裏返しに置いてあったので6コマならLevel5などの噂はあまり関係なさそうです。
内容は次のようなものです。

  1. 小型機で空港に向けて飛行中
  2. 近づくと空港の上空にCBがでていて雷や強雨があった
  3. ホールディングをしている(ATCの指示かリクエストしたかは不明)
  4. しばらくすると空港の天気は回復した(その後、着陸したかは不明)

終った後に

試験官:あなたが経験したもっともエキサイティングなフライトは何ですか?

いくつか話を用意しておくと良いでしょう。

以上ですべて終了です。全部で20分程度だと思います。漫画の紙が裏返しに置いてあったので6コマならLevel5などの噂はあまり関係なさそうです。

Narrationの攻略方法は次の記事を参考にしてください。

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感想

リスニングに関してはじめ要領をつかむまでドギマギしますが要領をつかめば問題ないと思います。Picture Description とNarrationはこのブログで練習をすればLevel5も夢ではないでしょう。ATCは状況説明とインテンションを伝えられれば大丈夫です。ただしATCでの状況説明は簡単なPicture Description に近いです。パイロットの人は普段のSIM訓練でやっているので問題ないかと思います。練習目的は場数と単語のストックです。英語能力証明試験は少し特殊ではありますが、予想がつきやすいものでもあります。一定量練習すれば安心して試験にのぞむことができそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?英語能力証明試験は航空局、JAL、ANAで行われているようです。それぞれで独自の問題を使っているようなので内容や形式は試験会場によって多少違うかもしれません。しかし、Picture Description 、ATC Communication、NarrationはICAOで決められた課題なので十分参考になると思います。英語能力証明試験はLevel4で3年Level5で5年毎に更新なので前回の試験は覚えていない人が多いのではないでしょうか?少しでも参考になれば幸いです。

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